お子様への薬の飲ませ方



お子さまへの薬の飲ませ方

処方された薬は、医師の指示通りきちんと飲むのが大切です。「あまり飲ませたくない」といってやめてしまうお母さんもいらっしゃいますが、これでは治る病気も治らなくなることも考えられます。処方内容(薬の名前)と目的をきちんと聞き、納得して使うのが大事です。また、「子供が薬を飲みたがらない」とお困りのご両親も少なからずいらっしゃいます。
一般的なお子さまへの上手な薬の飲ませ方や使用法、注意点等についてお伝えいたします。

医師からの指示がある場合はそれに従ってください。
医師の指示通りにお薬を飲んで早く良くなることを願って、上手な服薬の一助になれば幸いです。詳しくは当薬局薬剤師にご相談ください。

また当薬局で、風邪で薬をもらっている揚合でも、他医院等でもらっている薬や手帳、説明文を提示お願いいたします。




注意する点について

  • 水薬は、飲ませる前に静かに振って均一にしてから1回分をとってください。
  • 冷蔵庫の中で保存してください。
  • ミルクを飲ませる前のほうが赤ちゃんはよく飲むことがあります。食後で飲まない揚合は、子供が飲みやすい時に飲ませてかまいません。
  • 飲みたがらない子には、粉薬同様に甘みの工夫をしてみて下さい。ジュースや牛乳と混ぜて飲ませることは、お薬によっては苦みが出たり、効果が落ちることがありますので薬剤師にご相談下さい。

お薬の服用時間について

  • 食事の回数が多いのに、1日3回毎食後等の指示のときは、1日の総回数は決められた通りとして、およそ朝・昼・夕に与えてください。
  • 吐き気止めは、食事すると吐いてしまう場合には、食事の30分くらい前に飲ませても構いません。また食事がとれない場合でも、およそ朝・昼・夕に飲ませてあげてください。
  • 1~2時間程度ずれてしまった場合も抜いたりしないで、1日に指示された回数をなるべく守ってください。
抗生物質のように直接ばい菌を殺すような薬は、薬の血中濃度を常に一定濃度以上に保つことが必要です。中途半端に飲むと、その抗生物質が効かないばかりか、新たな強いばい菌(耐性菌)ができてしまう事もあります。抗生物質は、医師の指示通りしっかり飲ませきってください。

飲ませたけれど吐いてしまった時は

ほとんどの場合、次の投与時刻まで待って与えたほうが無難です。
もしその都度吐いてしまうようなら、医師に御相談ください。

服薬後の症状について

お薬を飲んだ後、発疹が出たり、顔が赤くなったり、痒くなったりした時や、いつもと違う様子に気づいた時は、一旦服薬を中止して、医師または薬剤師に問い合わせをしてください。

飲み残しの薬について

抗生剤は症状が良くなっても最後まで飲ませきってください。ただしひどい下痢を起こすようであれば医師に伝えてください。
  • 残った薬はとっておかないで必ず捨ててください。特にみずぐすりは、変質しやすいので処方された期間(1週間程度)しかもちません。ただ、体質改善や解熱剤のシロップは原液のままお渡しすることが多いので1ヶ月間くらいはもちます。
  • 子供の病気は症状がいろいろ変わりますので、前にもらって残った薬を親の判断で飲ませるのは好ましくありません。またお兄ちゃんの薬を弟に飲ませたりする事は、量も異なり思わぬ事故につながりかねませんので、やめてください。

薬の保管について

  • 水薬、坐薬は冷蔵庫で保管してください。解熱剤の坐薬は、色や形の変化のあるものは使ってはいけません。
  • 子供が大変好むおいしい薬が多くなりました。親が目を離したすきにゴクゴクと自分で飲んでしまうことがあります。子供の手の届かないところに保管して下さい。



お子さまへの薬の飲ませ方 Q&A


Q. 薬の飲ませ方用法の「食前」と「食後」のちがいはありますか?
A. 基本は食前と食後どちらでもかまいません。
  • 授乳期(乳児)
    一回分をきちんと飲めるような時間を工夫しましょう。
    空腹時や哺乳前がよいでしょう。
  • 授乳期後(幼児)
    実際上は「食後」指示です。
    理由=飲み忘れをなくし、胃への負担を軽くします。

Q. 粉薬の飲ませ方について教えてください
A. 粉のままで可能な年齢の揚合はそのままお飲みください。しかし、赤ちゃんは大人のように粉薬を上手に飲めません。粉のままだと気管に入ってしまい危険なこともあります。粉のままの服用が無理なときや飲みたがらない場合には…

  • まず少量の水で溶かしてみて、甘みや苦味を確認しましょう。
  • スプーンやスポイトを利用して飲ませてみるのもいいでしょう。
  • 赤ちゃんの揚合、哺乳瓶の乳首や市販の薬飲み器など利用してもいいです。
  • ぬるま湯または水を加えて練り(砂糖水でも可)、ほっぺの内側や上顎に塗って、その後に白湯や番茶を飲ませてもいいです。
  • 飲める程度のジュースやヨーグルト、アイスクリーム、プリン、イチゴジャム等に混ぜて飲んでもいいです。ただし、薬の種類によっては、ジュースやヨーグルト等の酸味があるものと一緒に飲むと、苦くなることがあります。(抗生物質:クラリス、クラリシッド、ジスロマック、フロモックス、メイアクト等)

    ※ミルクに混ぜるとミルク嫌いになるきっかけになることが
     あるので避けた方がよいでしょう。(粉薬、水薬ともに)

Q. 水薬の飲ませ方について教えてください
A.
  • 直接ビンに口をつけて飲ませないで、必ず1回分をほかの容器にとって飲ませます。
  • スポイトで口の奥のほうにいれて飲ませたり、匙で少量ずつ流し込むようにして飲ませても良いでしょう。

Q. 坐薬の使い方について教えてください
A.
  • 坐薬は、先にオリーブ油(サラダ油)、または水をつけて少し柔らかくしてから挿入するようにするとスムーズに入り痛がりません。
  • 坐薬の刺激で排便することがあります。坐薬は体温ですぐ溶け、5分もたてば相当量が吸収されます。そのままの形で出てきたら入れ直してもかまいません。溶けた状態ならば症状の変化(熱が下がらない、咳がとまらない)をみて30分たってから決められた量の半分を挿入した方が安全です。
  • 坐薬1/2や1/3は清潔なハサミやナイフで切ってください。
  • 解熱剤は、体温が38.5℃以上で機嫌の悪い(ぐったりしている)時に使用します。発熱でひきつけを起こしやすい小児は、早めに(38℃くらい)挿入してください。
  • 挿入しても熱が下がらない時は、8時間(医師によっては4~6時間)くらい、間をあけてから使用してください。

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